2016年9月9日金曜日

高い城の銀河連合日本

人類史上初の異星知的生命体との接触。
それは米国でもなく、ロシアでもなく、中国やEUでもなく……今、この時、ここ日本で行われた。


この世で生き詰った主人公が死んだら異世界にいましたみたいな話ばかり目立つネット小説だが、久々に面白いと思える作品を見つけた。『銀河連合日本』である。

荒唐無稽なSF作品なのだが、「自衛隊斯く戦えり」よりも面白かった。
既に星海社(☆・・またメーソンか?)から二巻まで刊行されている。
この作品を見つけた時に、同時に日本が第一次世界大戦前にタイムスリップする話にも興味が惹かれたのだが、こちらを読むことにした。

マンネリ設定のSWも食傷してしまい、ハリウッド映画はパクリやリメイクばかりで創造の力を失ってしまったのか・・・と失望していたところに明るく勧善懲悪をベースにした世界観の異星人もののSFファンタジー小説がやって来た。

異星人ものというと地球に来て苦労する異星人といった悲劇的な作品や、逆に地球侵略、乗っ取りをテーマとしたダークファンタジーっぽいものや逆に能天気に異星人を撃退して盛り上がる戦記物などばかりで、そうした作品を作る人種の他者との関係性における力を基本とする価値観(弱肉強食)にすこしばかり(否、ずっと)げんなりしていた。
強者は弱者に何をしても良い、というワイズマン張りの力信仰の世界ではなくて我々の求めるのはもっとこう・・・愛とか幼いころの約束とか純粋さとか理念とかね、力そのものが大事なんじゃなくてその力で絶対守りたいものとか・・そんなものなんだよ。

戦後日本はルサンチマンになるわけでもなくGDGDと戦後レジームを引きずって国際社会の中偽り(と後に気付く)の不自由な平和の中ある日突然やって来た異星の大宇宙船に囲まれてしまう。

さて『銀河連合日本』の異星人騒動の発端となったのは「竹取物語」のかぐや姫のエピソード。これが史実だとしたら、はるか昔、異星からの訪問者が我が国日本へやって来た…?! これを実際の出来事と踏まえたうえでお話は展開する。

主人公の名前がいいね。柏木真人。
異星人を相手にするのは真人間だよ。首相の名前もいい。安倍首相と新渡戸稲造へのオマージュか。

自由は死なず。

副総理は麻生太郎と三島由紀夫










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